気象学

天気図の概要と歴史的背景

天気図の概要と歴史的背景
天気図の定義、役割、歴史、および種類について解説します。気象観測データを用いた気圧配置の可視化や、日本における天気図作成の歴史を紹介します。

📌 主なポイント

  • 天気図は地図上に気象要素を記入し、気象現象を可視化する図である。
  • 日本で初めて天気図を作成したのはドイツ人のエルヴィン・クニッピングである。
  • 日本で正式に天気図の印刷・発行が始まったのは1883年3月1日である。
  • 地上天気図の気圧は、標高の影響を排除するため海抜0mの値に更正される。

天気図(weather map)とは、広範囲の気象現象を把握するために、地図上に天気、気圧、気温、風向などの気象要素を等値線や記号を用いて記入した図のことです。気象機関は、世界各地の観測地点から収集されたデータを解析し、現在の気象状況の把握や将来の予報に活用しています。

天気図の役割と作成

世界各地の気象観測地点では、毎日決まった時刻に地上観測や上空の観測気球、船舶からのデータが収集されます。これらのデータは、気象解析の基礎資料となります。現代ではコンピュータによる数値予報が主流ですが、熟練した技術者による解析や手書きのプロセスも依然として重要な役割を担っています。

令和3年7月22日21時の天気図
令和3年7月22日21時の天気図

一般的に「天気図」といえば、地上の気圧配置や前線、低気圧、台風の位置をプロットした「地上天気図」を指します。地上天気図では、気圧を海抜0mの値に更正して等圧線で結ぶことで、気圧配置を可視化します。

平成31年1月12日6時の天気図
平成31年1月12日6時の天気図

日本における天気図の歴史

世界初の天気図は、1820年にドイツのブランデスによって発表されたものとされています。日本において初めて天気図を作成したのは、ドイツ人の気象学者エルヴィン・クニッピングです。東京気象台が試験的に手書きの天気図を作成し始めたのは1883年2月16日のことであり、同年3月1日から正式に印刷・発行が開始されました。

地上天気図の自動作成例
地上天気図、アメリカ合衆国本土とその周辺、自動作成

天気図の種類

天気図は目的や対象とする高度に応じて多岐にわたります。

  • 実況天気図:観測結果に基づいた過去の気象状況を表す図。
  • 予想天気図:将来の気象状態を予測した図。
  • 高層天気図:地上以外の高層における気象状態を表す図。

また、世界気象機関(WMO)が定めた国際式天気図が世界的に用いられていますが、日本では一般向けに簡易化した日本式天気図も併用されています。

よくある質問

天気図は誰でも作成できますか?
主要地点の気象観測データは公開されており、天気図作成の知識があれば誰でも作成することが可能です。
「天気図記念日」は公的な記念日ですか?
2月16日を「天気図記念日」とする説がありますが、これは気象庁が定めた正式な記念日ではありません。
地上天気図と高層天気図の違いは何ですか?
地上天気図は地表付近の気圧配置や天気を表すのに対し、高層天気図は上空の気象状態を表すために用いられます。

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気象庁気象予報気圧前線 (気象)

参考文献

  • 饒村曜『こんなにためになる気象の話』ナツメ社、2003年、183頁。
  • デジタル台風「1883年3月1日 : 日本で最初の天気図配布」
  • ウェザーニュース「【135年前の3月1日】初めて印刷された日本の天気図とは?」
  • 気象サービス「天気図事始め」