欧州連合における電気電子機器廃棄物指令(WEEE指令)

📌 主なポイント
- ✓WEEE指令は、電気・電子機器廃棄物の環境負荷低減とリサイクル促進を目的としたEUの指令である。
- ✓拡大生産者責任(EPR)に基づき、製造者が回収およびリサイクル費用を負担する。
- ✓2012年に改正指令(2012/19/EU)が公布され、対象製品が6つのカテゴリーに整理された。
電気電子機器廃棄物指令(Waste Electrical and Electronic Equipment Directive、通称WEEE指令)は、欧州連合(EU)が電気・電子機器の廃棄物管理を適正化し、環境負荷を低減するために制定した指令です。2003年に最初の指令(2002/96/EC)が公布され、その後、2012年に改正指令(2012/19/EU)が施行されました。
制定の背景と目的
電気・電子機器廃棄物(E-waste)は、適切に処理されない場合、有害物質が環境中に流出し、土壌や地下水の汚染を引き起こすリスクがあります。また、埋立処分地の不足も深刻な課題となっていました。WEEE指令は、これらの廃棄物を分別収集し、有害物質を適切に除去した上でリサイクルや資源回収を行うことを義務付けることで、埋立処分量を削減し、循環型経済の構築を促進することを目的としています。
製造者の責任とリサイクル目標
WEEE指令の根幹には「拡大生産者責任(EPR)」の考え方があります。EU域内で電気・電子機器を販売する製造者は、製品の設計段階からリサイクルや解体が容易になるよう配慮する義務を負います。また、製品が廃棄物となった際の回収・リサイクル費用を負担し、当局の指示に従ってリサイクルを実施しなければなりません。


対象製品の分類
2018年8月15日以降、対象となる電気・電子機器は以下の6つのカテゴリーに再編されています。
- 温度交換装置(冷蔵庫、空調機器など)
- スクリーン、モニタおよび表面積が100cm2を超えるスクリーンを有する機器
- 照明機器
- 大型機器(洗濯機、大型医療機器など)
- 小型機器(掃除機、時計、玩具など)
- 小型IT機器および電気通信機器(外形寸法が50cm以下のもの)
軍事用機器や宇宙用機器など、一部の特殊な機器は適用対象外となります。
運用と加盟国の役割
WEEE指令の要求内容はEU全域で共通ですが、具体的な回収インフラの整備や罰則規定は各加盟国の国内法に委ねられています。消費者は、当局が指定した回収拠点に廃製品を搬入することが求められます。製造者は、市場シェアに応じて当局から割り当てられた回収目標量を達成し、その結果を報告する義務があります。