言語学

世界の語族と孤立した言語の系統一覧

世界の語族と孤立した言語の系統一覧
比較言語学に基づいて証明された世界の主要な語族および孤立した言語の系統分類を地域別に解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 語族は比較言語学の比較方法によって同系統と証明された言語群の最上位のグループ名である。
  • 系統関係がどの言語とも証明されていない言語は「孤立した言語」と呼ばれる。
  • インド・ヨーロッパ語族はヨーロッパから南アジアにかけて広範囲に分布している。

語族(ごぞく)とは、比較言語学の手法により、共通の祖先を持つ(祖語から派生した)と証明された言語のグループのうち、最上位に位置する分類単位である。語族の下位には語派や語群が置かれる。また、他のどの言語とも系統関係が証明されない言語は「孤立した言語」と呼ばれる。

語族の成立と定義

言語の共通性を見出し、祖語の存在を想定するアプローチは比較言語学の発展とともに確立された。歴史学や民族学においては、民族集団の分類や表現(「~語族」に基づいた「~系民族」など)として用いられることがある。

ただし、言語の分布は必ずしも文化や宗教、政治的境界と一致するとは限らない。例えば、イタリック語派に属する言語の話者を歴史的に「イタリック人」と一括して呼ぶことは一般になく、歴史的な文脈によって呼び方は異なる。

地域別の主な語族

アフリカ

アフリカ大陸および周辺地域には、多様な語族や系統未証明の言語群が存在する。

  • アフロ・アジア語族:セム語派、クシ語派、ベルベル語派などを含む。
  • ニジェール・コンゴ語族:マンデ語派や大西洋・コンゴ諸語などを含む大規模な語族。
  • ナイル・サハラ語族:複数の語派から構成されるとされる語族。
  • ジュー・ホアン語族、ツウ語族、コエ・クワディ語族などはかつて便宜的にコイサン語族と総称されていたが、現在では系統関係が未証明の独立した語族の集合体とみなされている。

ユーラシア

ユーラシア大陸には、世界的に話者数の多い主要な語族が多数分布する。

  • インド・ヨーロッパ語族:ゲルマン語派、ロマンス語(イタリック語派)、スラブ語派、インド・イラン語派などを含み、ヨーロッパから南アジアにかけて広く分布する。
  • テュルク語族:トルコ語や中央アジアの諸言語が含まれる。
  • ウラル語族:フィンランド語やハンガリー語などのフィン・ウゴル語派やサモエード語派が含まれる。
  • シナ・チベット語族:中国語(漢語系諸語)やチベット・ビルマ語派が含まれる。
  • 日琉語族:日本列島および琉球諸島に分布する日本語や琉球語のグループ。

オセアニアおよびその他の地域

オセアニアでは、東南アジアから太平洋の島々にかけてオーストロネシア語族が広く分布している。また、オーストラリア先住民族の言語や、パプア諸語のように個別の語族や孤立した言語が多数存在する地域もある。

よくある質問

語族とは何ですか?
比較言語学の手法により、共通の祖語から派生したと証明された言語グループの最上位の分類単位です。
孤立した言語とはどのような言語ですか?
他のどの言語とも系統的なつながり(共通の祖先)が証明されていない単一の言語のことです。

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比較言語学祖語語派孤立した言語

参考文献

  1. 所属言語が1語のみの語族
  2. 『講座言語 第6巻 世界の言語』北村甫編、青木晴夫ら共著(大修館書店)