横浜地方気象台の歴史と建築様式

📌 主なポイント
- ✓横浜地方気象台の本庁舎は1927年11月に竣工した。
- ✓現存する日本の気象台建築としては3番目に古い歴史を持つ。
- ✓本庁舎およびブラフ積みの擁壁は2005年11月1日に横浜市有形文化財に指定された。
- ✓2007年に第2庁舎が完成し、設計は安藤忠雄建築研究所が担当した。
横浜地方気象台(よこはまちほうきしょうだい)は、神奈川県横浜市中区山手町に所在する気象庁の地方気象台である。関東大震災後の1927年に竣工したアール・デコ建築の本庁舎は、現存する日本の気象台建築として3番目に古い歴史を持つ。

関東大震災後の復興期における近代建築としての価値が認められており、建物および敷地を囲む擁壁は横浜市の有形文化財に指定されている。

1896年8月1日、当時の中区海岸通に神奈川県測候所として業務が開始された。1923年9月1日の関東大震災で庁舎が焼失したため、仮庁舎での業務を経て、1927年11月に山手町の現在地(アメリカ海軍病院跡地)へ本庁舎が新築移転された。1939年に文部省令により国営へ移管され名称が横浜測候所となり、1943年には運輸通信省へ所管が変更された。1957年の官制改正に伴い、現在の横浜地方気象台へ改称された。

2002年度に耐震診断が実施されたのち、2004年の簡易公募型プロポーザル方式により安藤忠雄建築研究所が設計者に選定された。2007年には新たな第2庁舎が完成し、2009年に本庁舎の改修工事が完了している。
建築と保存文化財
1927年竣工の本庁舎は、鉄筋コンクリート構造の地下1階・地上3階建てで、大正末期から昭和初期にかけて流行したアール・デコ意匠を取り入れている。外壁はモルタル刷毛引き吹付け仕上げを基調とし、腰壁や玄関周りには富国石の白丁場張りが採用されている。
敷地外周には、山手地区特有の「ブラフ積み」の擁壁が巡らされている。住民からの保存要望も受けて、増改築の際に補強の上で現地に残された。また、第2庁舎の基礎工事の際には旧アメリカ海軍病院の井戸遺構が発見され、上部が前庭に展示されている。
本庁舎建築およびブラフ積みの擁壁は、2005年11月1日に横浜市の有形文化財に指定された。
気象観測と業務
東京管区気象台の管轄下にあり、神奈川県内の地上気象観測、地域気象観測(アメダス)、生物季節観測などの気象業務や防災情報の発信を行っている。また、神戸港の神戸地方気象台、名古屋港の名古屋地方気象台とともに、港湾気象官が配置されている数少ない気象台の一つである。

敷地内には生物季節観測に用いられるソメイヨシノの標本木が植えられており、横浜の開花や満開を観測する基準となっている。
よくある質問
横浜地方気象台の本庁舎はいつ建てられましたか?
横浜地方気象台の建物は文化財に指定されていますか?
横浜の桜の開花宣言はどこで観測されますか?
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参考文献
- 横浜市教育委員会 『横浜の近代建造物―横浜市近代建造物調査報告書―』 1994年。
- 横浜市歴史的資産調査会 『都市の記憶―横浜の近代建築(II)』 1996年。
- 川本明生 『続・東京&横浜の長寿建築』 深夜叢書社、2014年。