言語学

ヨーラ語:アイルランド・ウェックスフォード県にかつて話されていた中英語由来の言語

ヨーラ語:アイルランド・ウェックスフォード県にかつて話されていた中英語由来の言語
アイルランドのウェックスフォード県で話されていた中英語由来の消滅言語「ヨーラ語」の歴史、音韻、文法、および言語的特徴について解説します。

📌 主なポイント

  • ヨーラ語は、アイルランドのウェックスフォード県にあるフォース男爵領およびバーギー男爵領で話されていた言語である。
  • 中英語を起源とし、周囲から孤立した環境下で独自の発達を遂げた。
  • 19世紀後半までに日常的な話者がいなくなり、言語として消滅した。

ヨーラ語(英: Yola)は、インド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派、アングロ語群に属する消滅した言語あるいは方言である。アイルランドのウェックスフォード県南東部に位置するフォース男爵領およびバーギー男爵領において、かつてノルマン人の子孫らによって話されていた。

ヨーラ語に関する資料や言語学的特徴を示すイメージ
ヨーラ語に関する資料や言語学的特徴を示すイメージ

歴史的背景

ヨーラ語の起源は中英語にさかのぼる。12世紀のアングロ・ノルマン人によるアイルランド侵攻以降、キルデア地方などから持ち込まれた英語がウェックスフォード県の特定の地域に定着し、周囲から地理的に孤立した環境下で独自の変異を遂げた。歴史的には「フォース・アンド・バーギー方言」とも称される。

アイルランド、ウェックスフォード県のフォース男爵領とバーギー男爵領の地理的範囲
アイルランド、ウェックスフォード県のフォース男爵領とバーギー男爵領の地理的範囲

19世紀に入ると、周辺地域で話されていた一般的なアイルランド英語に取って代わられ、急速に衰退した。19世紀の終わり頃には最後の話者たちが亡くなり、言語としては消滅したとされている。

言語的特徴

音韻と強勢

ヨーラ語の大きな特徴として、中英語の対応する単語と比較して2音節目に強勢が移動する傾向が見られる点や、大母音推移の影響が部分的かつ散発的であったため、古い中英語の母音の性質が比較的よく保存されていた点が挙げられる。また、無声音や摩擦音の一部が有声音化する特徴もあった。

文法構造

文法面では、中英語の痕跡を色濃く残している。例えば、動詞の活用において二人称複数および三人称複数の語尾に「-eth」や「-edh」といった古い形態が用いられていたほか、過去分詞を形成する接頭辞として「ee」が保持されていた。名詞の複数形においても、現代英語とは異なる「-en」語尾を持つ形態が存在していた。

よくある質問

ヨーラ語はどこで話されていましたか?
アイルランドのウェックスフォード県南部にあるフォース男爵領とバーギー男爵領で話されていました。
ヨーラ語の起源は何ですか?
中英語を起源としており、アイルランドへ渡ったアングロ・ノルマン人の言語的伝統を受け継いでいました。
ヨーラ語はいつ消滅しましたか?
19世紀に入ってから急速に衰退し、19世紀の終わり頃には最後の話者が亡くなったことで消滅しました。

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参考文献

  • Browne, Kathleen (1921). "The Ancient Dialect of the Baronies of Forth and Bargy, County Wexford". jstor.org.
  • Hore, Herbert (1862). "An Account of the Barony of Forth, in the County of Wexford...െന്നു". jstor.org.
  • Hogan, Jeremiah Joseph (1927). The English language in Ireland.
  • Hickey, Raymond (2023). The Oxford Handbook of Irish English. Oxford University Press.