建築・生活文化

雪囲い:日本の豪雪地帯における伝統的な防雪対策

雪囲い:日本の豪雪地帯における伝統的な防雪対策
日本の豪雪地帯において家屋や建物を雪害から守るために施される伝統的な防雪対策「雪囲い」の目的、歴史、および冬囲いとの違いについて解説します。

📌 主なポイント

  • 雪囲いは、北海道や東北地方の日本海側、北陸地方などの豪雪地帯で行われる伝統的な防雪対策である。
  • 主に樹木や花木を対象とするものを「冬囲い」と呼び、建物などの広範囲を対象とするものを「雪囲い」と区別する。
  • 積雪の重みや落雪から家屋や人体を守ることを主な目的としている。

雪囲い(ゆきがこい)とは、北海道や東北地方の日本海側、北陸地方などの豪雪地帯において、冬の積雪や寒さから家屋などの建物を守るために周囲を囲う作業、およびその囲い自体のことを指します。「雪垣」とも呼ばれます。

白川郷の茅葺家屋に設置された雪囲い
白川郷の茅葺家屋に設置された雪囲い

雪囲いと冬囲いの違い

雪囲い」の類義語として「冬囲い」が挙げられますが、一般的に両者は対象とする範囲に違いがあります。主に樹木や花木などの植物に対して行うものを「冬囲い」と呼び、家屋などの建物や敷地といったより広範囲に行うものを「雪囲い」と区別して呼ぶのが特徴です。

設置の目的と効果

豪雪地帯では冬期の積雪が2メートルを超えることもあり、建物が雪に埋もれたり、雪の重みで破壊されたりする危険性があります。そのため、雪囲いには以下のような重要な目的があります。

  • 積雪の重みによる家屋の損壊防止
  • 屋根から落下する落雪による家屋や植木の破損防止
  • 軒下を歩く人や玄関先の人間に対する落雪の直撃防止

また、二次的な効果として、建物の凍結防止、室内への雪の吹き込み防止、除雪作業の負担軽減、冬期の歩行通路の確保などが期待されます。

歴史と構造の変化

昔からの伝統的な方法では、屋根から地面に向かって木材を立て、それに沿わせて板やワラ、ヨシなどを組み合わせて囲いを作っていました。しかし、近年では波型のトタンやプラスチック製の板を利用し、屋根から落ちてきた雪が滑り落ちやすくなるような工夫も取り入れられています。

毎年の設置や撤去にかかる手間を省くため、季節を問わず常設されているものも少なくありません。商店の入り口などではガラス張りや自動ドアを備えた常設の風除室のような形態をとることもありますが、地域によってはこうした常設の構造物を「雪囲い」とは呼ばない場合もあります。

よくある質問

雪囲いと冬囲いはどう違うのですか?
主に樹木や花木に行うものを「冬囲い」と呼び、家屋などの建物やより広範囲な対象に行うものを「雪囲い」と呼びます。
雪囲いはどのような目的で行われますか?
積雪の重みや屋根からの落雪による家屋の破壊、および人への危険を防ぐことを主な目的としています。
雪囲いの材料にはどのようなものが使われますか?
伝統的には木材、板、ワラ、ヨシなどが使用されてきましたが、近年では波型のトタンやプラスチック製の板なども利用されています。

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参考文献

  • 札幌市公園緑化協会 「札幌市 緑のセンターだよりNo.236」 2021年9月3日閲覧。
  • 田村喜子 「雪垣」 『北海道開発土木研究所月報』 604号、2003年9月。