伝統文化・造園
日本の伝統的な冬の防雪技法:雪吊りの構造と歴史

日本の冬季における樹木の保護技法である雪吊りの構造、様式、および代表的な実施事例について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓雪吊りは、冬季の積雪による樹木の枝折れを防ぐための伝統的な保護技法である。
- ✓代表的な様式には兼六園式、北部式、南部式がある。
- ✓石川県金沢市の兼六園では、例年11月に取り付けられ、3月に取り外される。
雪吊(ゆきづり、ゆきつり)とは、冬季に積雪の重みによって樹木の枝が折れるのを防ぐため、縄を用いて枝を保持する日本の伝統的な技術である。「雪つり」とも表記され、北陸地方をはじめとする豪雪地帯では専ら「雪囲い」とも呼ばれる。

手法と様式
雪吊りには、樹木の形状や目的に応じていくつかの手法や様式が存在する。
手法
代表的な手法として、りんご吊り、みき吊り、しぼりなどが挙げられる。
様式
雪吊りの基本様式には、兼六園式、北部式、南部式がある。兼六園式はりんご吊りの基本様式であり、これをもとに東京都建設局の旧北部公園緑地事務所が考案した「北部式」や、旧南部公園緑地事務所が考案した「南部式」が派生した。

雪吊りが行われる庭園と施設
雪吊りは、積雪の多い東北地方や北陸地方などの庭園で広く用いられている。代表的な例として、石川県金沢市にある特別名勝・兼六園が挙げられる。兼六園では、例年降雪期前の11月に雪吊りが施され、降雪期が終わる3月に取り外される。同園では500本を超える樹木に対し、約1か月半にわたり延べ500人以上の作業員が動員されて雪吊りの作業にあたっている。

また、降雪が少ない地域であっても、冬の風物詩や文化財の保護を目的として実施されることがある。東京都新宿区の甘泉園公園や、岐阜県高山市の高山陣屋、青森県弘前市の藤田記念庭園などがその一例である。
よくある質問
雪吊りとは何ですか?
冬季に雪の重みで樹木の枝が折れるのを防ぐため、支柱と縄を使って枝を保持する日本の伝統的な造園技法です。
雪吊りはいつ頃行われますか?
地域や施設によって異なりますが、例えば兼六園では降雪期前の11月に作業が始められ、翌年の3月に外されます。
北陸地方での別の呼び方はありますか?
北陸地方(特に富山県や石川県)では、専ら「雪囲い」と呼ばれることがあります。
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参考文献
- “庭師の誇り 雪吊りの技”. テレビ金沢. 2021年9月3日閲覧。
- “千葉公園「松の雪吊り」南部様式”. 千葉市. 2021年9月3日閲覧。
- “金沢 兼六園で「雪吊り」外し”. NHKニュース. 2013年3月15日.
- ““松の和傘”冬支度 高山陣屋で雪つり”. 岐阜新聞. 2015年11月6日.