植物学

樹皮の生物学的構造と人間社会における利用

樹皮の生物学的構造と人間社会における利用
樹木の幹や枝を覆う組織である樹皮の生物学的な定義や構造、およびコルク、工芸、生薬、農業資材としての多岐にわたる利用方法について解説します。

📌 主なポイント

  • 樹皮は生物学的に維管束形成層より外側の組織全体を指す。
  • 周皮は植物体を保護し、スベリンの蓄積により乾燥や病原菌の侵入を防ぐ。
  • 皮目はコルク組織に形成されるガス交換のための開孔部である。
  • 樹皮はコルク栓、生薬、伝統工芸品、農業用資材など多岐にわたって利用される。

樹皮(じゅひ、英: bark)は、樹木(木本植物)の幹や枝の最外層を覆う組織の総称です。一般的には樹木の表面にある死んだ細胞の層を指すことが多いですが、生物学や林学の分野では、維管束形成層より外側にあるすべての組織を含む広義の意味で定義されます。

生物学的な構造

広義の樹皮は、内側の靭皮(二次師部)と外側の周皮によって構成されます。若い樹皮には表皮や皮層、一次師部の残骸が含まれることもあります。靭皮からコルク形成層までの内側部分は生きた細胞からなる「内樹皮(甘皮)」、それより外側のコルク組織は「外樹皮(粗皮)」と呼ばれます。

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よくある質問

樹皮とコルクの違いは何ですか?
樹皮は樹木の幹や枝の最外層を構成する組織全体の総称です。一方、コルクは樹皮の一部である周皮に含まれる組織で、細胞壁にスベリンや蝋が沈着した死細胞から構成されています。
皮目とは何ですか?
樹木の茎や根の表面にある、ガス交換を行うための小さな開孔部です。コルク組織が形成されると空気の出入りが困難になるため、皮目形成層によって新たな柔組織が作られ、周皮を突き破ることで形成されます。
環状剥皮とはどのような手法ですか?
樹皮を環状に剥ぎ取ることで師部を断ち切る手法です。間伐のために樹木を枯死させる目的や、果樹において着花促進や果実品質の向上を目的として行われます。

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参考文献

  • 日本植物学会 (1990). 文部省 学術用語集 植物学編 (増訂版). 丸善. p. 311. ISBN 978-4621035344.
  • 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 645, 1163. ISBN 978-4000803144.
  • 原襄 (1994). 植物形態学. 朝倉書店. pp. 139–141. ISBN 978-4254170863.
  • 清水建美 (2001). 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 190–193. ISBN 978-4896944792.