物理化学

物理学および化学における界面の基礎と性質

物理学や化学における界面の定義、相分離、界面自由エネルギー、表面緩和などの基礎的な性質について詳しく解説する事典記事。

📌 主なポイント

  • 界面とは、均一な液体や固体の相が他の相と接している境界をいう。
  • 気体や真空に接する界面は、特に表面と呼ばれる。
  • 界面自由エネルギーを低下させるために界面張力が生じる。
  • 固体表面では、原子間の力の均衡の変化によって表面緩和が生じる。

界面(かいめん、英: interface)とは、ある均一な液体や固体の相が、他の均一な相と接している境界のことを指します。この「他の均一な相」が気体もしくは真空である場合、その界面は特に表面(surface)と呼ばれます。界面は、気相と液相、液相と液相、液相と固相、固相と固相という二相間で形成されます。

界面の形成と熱力学的性質

分子間相互作用があり凝縮相となる実在分子において、異種分子間の相互作用よりも同一種分子間の相互作用の方がはるかに強い場合、混合するよりもそれぞれが相分離する方がエネルギー的に安定となります。この相分離した二つの相の境界が界面です。

界面近傍の分子は、周囲を取り囲む同一種分子の総数が内部よりも少なくなるため、内部の分子と比較して自由エネルギー的に不利な状態、すなわち過剰の自由エネルギーを持ちます。これを界面自由エネルギー(interfacial free energy)と呼びます。界面は、この余分なエネルギーを低下させるためにできる限り面積を小さくしようと収縮する性質を示します。これが界面張力(interface tension)であり、単位面積当たりの界面自由エネルギーに相当します。なお、気体との界面におけるものは表面張力と呼ばれます。

固体表面の微視的構造と表面緩和

エレクトロニクス産業の発展やナノテクノロジーの研究進展に伴い、固体材料における固体同士の界面(固相界面)の科学的研究が重要視されています。単に界面と称する場合、この固相界面を指すことも少なくありません。

物質のバルク内部における原子間の力や距離は均一ですが、劈開などによって表面が形成されると、それまで周囲から等しく働いていた力の均衡が変化します。これにより、第2層目以降の分子がわずかに内側へ変位し、外側層との距離が変化する現象が起こります。これが表面緩和(surface relaxation)です。また、金属原子の表面付近においては、電子の自由度や引き込み効果によって原子層の間隔が内部よりも縮小する傾向が見られます。

学術的領域

界面に関する現象や物性は、主に界面化学および表面物理学などの学術分野において取り扱われ、物性物理学や薄膜工学などの基礎をなしています。

よくある質問

界面と表面の違いは何ですか?
界面のうち、接している他の相が気体もしくは真空であるものを特に表面と呼びます。
界面張力はどうして発生するのですか?
界面近傍の分子は、周囲の同一種分子が少ないために内部の分子よりも過剰な自由エネルギーを持つことになり、そのエネルギーを低下させようとして面積を縮小させようとする力(界面張力)が働きます。
表面緩和とはどのような現象ですか?
表面が露出することによって周囲の力の均衡が変わり、第2層目の分子が内側にずれたり、表面付近の原子層間隔が内部のバルクとは異なったりする現象のことです。

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参考文献

  • 田中一義, 田中庸裕『物理化学』丸善, 2010年, 444頁.
  • 志村史夫『したしむ表面物理』朝倉書店, 2007年6月.