気候学
地中海性気候の定義と地理的分布

ケッペンの気候区分における地中海性気候(Csa, Csb, Csc)の特徴、定義、および世界各地の分布について解説します。
📌 主なポイント
- ✓地中海性気候はケッペンの気候区分で温帯(C)に属し、夏季乾燥(s)を特徴とする。
- ✓主な分類記号はCsa、Csb、Cscの3つである。
- ✓日本国内には地中海性気候に該当する地域は存在しない。
- ✓オリーブやブドウなどの果樹栽培が盛んで、テラロッサという土壌が広く分布する。
地中海性気候(Mediterranean climate)は、ケッペンの気候区分における温帯(C)に分類される気候の一つです。記号はCsa、Csb、Cscで表され、小文字の「s」は夏季に乾燥する(sommertrocken)ことを示しています。この気候は、地中海沿岸地域をはじめとする中緯度の大陸西岸に広く見られます。
気候的特徴
地中海性気候の最大の特徴は、冬に一定の降雨がある一方で、夏は日差しが強く乾燥することです。年平均気温は15℃前後で年較差が比較的小さく、温暖な環境であることから、古くからリゾート地として発展した地域も多く存在します。
植生や農業面では、乾燥に強いオリーブやブドウ、柑橘類、トマトなどの栽培が盛んです。また、石灰岩の風化によって形成された赤色土である「テラロッサ」が広く分布していることも特徴の一つです。
分類条件
ケッペンの気候区分における地中海性気候の定義には、以下の条件が用いられます。
- 最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満であること。
- 最暖月平均気温が10℃以上であること。
- 年平均降水量が乾燥限界以上であること。
- 最多雨月が冬にあり、最少雨月降水量が30mm未満であること。
最暖月平均気温に基づき、以下の3つに細分されます。
- Csa:最暖月平均気温が22℃以上。
- Csb:最暖月平均気温が10℃以上22℃未満で、月平均気温10℃以上の月が4か月以上。
- Csc:最暖月平均気温が10℃以上22℃未満で、月平均気温10℃以上の月が3か月以下。
なお、1936年に「最少雨月降水量が30mm未満」という条件が追加されたことで、冬の降水量が多い日本の豪雪地帯などが誤って分類される問題が解消されました。このため、日本国内に地中海性気候は存在しません。
主な分布地域
地中海性気候は、主に北緯30〜50度、南緯20〜40度の大陸西岸部に分布しています。
- ヨーロッパ:地中海沿岸地域(南欧、北アフリカ沿岸など)
- 北アメリカ:北米大陸西岸
- 南アメリカ:南米大陸西岸(チリなど)
- アフリカ:アフリカ大陸南端
- オーストラリア:オーストラリア大陸南西端
また、これら典型的な地域とは成因が異なるものの、中央アジアやアメリカ合衆国北西部の内陸部など、ステップ気候に近接する地域にも分布が見られます。
よくある質問
地中海性気候の主な特徴は何ですか?
冬に一定の降雨があり、夏は日差しが強く乾燥することが最大の特徴です。
日本に地中海性気候はありますか?
いいえ、ありません。ケッペンの気候区分における条件(最少雨月降水量が30mm未満など)を満たす地域は日本には存在しません。
Csa、Csb、Cscの違いは何ですか?
主に最暖月平均気温と、月平均気温10℃以上の月数によって区分されます。Csaは最暖月が22℃以上、CsbとCscは22℃未満です。
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温帯ケッペンの気候区分ステップ気候地中海
参考文献
- 帝国書院編集部(2017)『新詳高等地図』帝国書院
- 二宮書店編集部(2017)『詳解現代地図』二宮書店
- 気象庁「平年値(年・月ごとの値)」