化学
化学におけるオキソ酸の基礎と性質

オキソ酸の定義や脱水縮合、酸としての強さを示すポーリングの規則、および代表的なオキソ酸の種類について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓オキソ酸は、原子にヒドロキシ基とオキソ基が結合し、ヒドロキシ基がプロトンを供与できる化合物を指す。
- ✓IUPACの1990年の勧告では、アクア酸やヒドロキソ酸もオキソ酸に含まれる。
- ✓単核オキソ酸の酸性度はポーリングの規則によってその目安を推定することができる。
オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、何らかの原子にヒドロキシ基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、かつそのヒドロキシ基がプロトンを供与できる化合物を指します。無機化学命名法に関して国際純正・応用化学連合(IUPAC)が1990年に行った勧告の定義では、先述した化合物の他に、アクア酸やヒドロキソ酸もオキソ酸に含まれるとされています。
脱水縮合とポリ酸
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する場合があります。例えば、リン酸では二リン酸や三リン酸が見られます。また、酸無水物も同様にオキソ酸の脱水縮合生成物に該当します。遷移金属元素のオキソ酸は、金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ばれます。


酸としての強さとポーリングの規則
オキソ酸には無機化合物の硫酸、硝酸、リン酸のほか、有機化合物であるカルボン酸など様々な種類が存在します。酸塩基反応において、オキソ酸は一般に多原子イオンとプロトンを与えますが、その酸としての強さは化合物の種類によって異なります。


単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則として、ポーリングの規則(Pauling's rules)が知られています。中心元素 E のオキソ酸の化学式が $ ext{EO}_{m}( ext{OH})_{n}$ で表される場合、酸解離定数 $K_a$ は次の関係式で表されます。

ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在します。例えば炭酸の場合、水溶液中に溶けている二酸化炭素のうち僅かしか炭酸にならないため、実測値と推定値にずれが生じます。また、亜硫酸も見かけ上は規則に従うような値を示しますが、実際には二亜硫酸イオンを生成するなどの複雑な化学平衡を持っています。

主なオキソ酸の種類
- ハロゲンオキソ酸:次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸
- ホウ素・炭素・ケイ素系:ホウ酸、炭酸、オルト炭酸、ケイ酸
- 窒素・リン系:亜硝酸、硝酸、亜リン酸(ホスホン酸)、リン酸、ヒ酸
- 硫黄系:亜硫酸、硫酸、スルホン酸、スルフィン酸
- 遷移金属系:クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、タングステン酸
- 有機オキソ酸:カルボン酸
よくある質問
オキソ酸の定義とは何ですか?
何らかの原子にヒドロキシ基とオキソ基が結合しており、そのヒドロキシ基がプロトンを供与できる化合物を指します。
ポーリングの規則とは何ですか?
単核オキソ酸の酸性度の強さ(酸解離定数)を化学式から推定するための2つの経験則です。
オキソ酸にはどのようなものがありますか?
硫酸、硝酸、リン酸などの無機オキソ酸のほか、カルボン酸などの有機化合物も含まれます。
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参考文献
- IUPAC Gold Book - oxoacids
- 中心金属イオンに配位した水分子が、プロトンを供与できる化合物。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン
- 隣接するオキソ基が存在せず、ヒドロキシ基がプロトンを供与できる化合物。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)