地理
パンパ:南米の広大な草原地帯

南米アルゼンチン中部からウルグアイ、ブラジル南部に広がる広大な草原地帯「パンパ」の地理、生態系、農業的価値について解説します。
📌 主なポイント
- ✓パンパはアルゼンチン中部、ウルグアイ、ブラジル南部に広がる温帯草原地帯である。
- ✓地形は極めて平坦で、水はけが悪く豪雨時には冠水しやすい特徴がある。
- ✓アルゼンチンの農業・牧畜の中心地であり、国内の小麦生産の大部分を占める。
パンパ(Pampa)は、南アメリカ大陸の南部に広がる広大な温帯草原地帯です。主にアルゼンチン中部、ウルグアイ全域、およびブラジル最南端のリオ・グランデ・ド・スル州にまたがるラプラタ川流域を指します。その名称はケチュア語で「平原」を意味します。
地理と気候
パンパはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスを中心に、半径約600kmにわたって半円状に広がっています。地形は極めて平坦であり、しばしば「ビリヤード台」に例えられるほどです。この平坦な地形ゆえに水はけが悪く、豪雨時には広範囲で冠水が発生することがあります。
パンパは中央部を走る年降水量550mmの線を境に、東部の「湿潤パンパ」と西部の「半乾燥パンパ」に大別されます。気候区分では、湿潤パンパは温暖湿潤気候(Cfa)、半乾燥パンパはステップ気候(BS)に分類されます。

生態系と保護区
パンパには多様な生態系が存在し、ユネスコの生物圏保護区やラムサール条約登録地が点在しています。ウルグアイのバニャドス・デル・エステや、パラナ川の三角州地帯などは、アメリカヌマジカやタテガミオオカミといった希少な野生動物の生息地として重要です。また、ブエノスアイレス近郊のペレイラ・イラオラ公園など、都市部に近い場所でも貴重な自然環境が保護されています。

農業と経済
パンパはアルゼンチン経済の根幹をなす農業地帯です。国内の耕地の約80%、牧草地の約60%がこの地域に集中しており、小麦生産の大部分を担っています。湿潤パンパではトウモロコシの栽培や牛の放牧が盛んに行われ、乾燥パンパでは羊の放牧が中心です。19世紀後半に冷凍船技術が導入されたことで、生肉の輸出が可能となり、企業的な牧畜業が急速に発展しました。
よくある質問
パンパはどのような気候ですか?
パンパは東部の湿潤パンパ(温暖湿潤気候)と、西部の半乾燥パンパ(ステップ気候)に分けられます。
パンパの農業における重要性は何ですか?
アルゼンチンの耕地の約80%、牧草地の約60%を占める国内最大の農業地帯であり、小麦生産や牧畜において中心的な役割を果たしています。
パンパという名前の由来は何ですか?
ケチュア語で「平原」を意味する言葉に由来しています。
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参考文献
- 今井清一『改訂増補 人文地理学概論<上巻>』晃洋書房、2003年。
- UNESCO Biosphere Reserves (Bañados del Este, Bioma Pampa-Quebradas del Norte, Delta del Paraná, Parque Costero del Sur, Pereyra Iraola, Mar Chiquita).
- Ramsar Sites Information Service (Bañados del Este, Esteros de Farrapos, Palmar Yatay, Delta del Paraná, Ciervo de los Pantanos, Laguna Melincué, Reserva Ecológica Costanera Sur, Bahía de Samborombón).