食品科学

食品用甘味料の分類と特性

食品に甘みを付与する甘味料について、糖質系と非糖質系の分類、それぞれの特性、および近年の研究による健康への影響について解説します。

📌 主なポイント

  • 甘味料は食品衛生法において食品添加物に分類される。
  • 糖質系甘味料には砂糖や糖アルコールが含まれ、非糖質系には天然甘味料と合成甘味料がある。
  • 一部の人工甘味料が腸内細菌叢を変化させ、耐糖能異常に影響を与える可能性が研究で示唆されている。

甘味料とは、食品に甘みを付与するために用いられる調味料の総称です。日本の食品衛生法においては、食品添加物に分類されます。かつては砂糖の不足を補うための代替品としての役割が主でしたが、現代では低カロリー化、低う蝕性(虫歯予防)、腸内環境への配慮など、多様な目的で使用されています。

糖質系甘味料

糖質系甘味料は炭水化物に分類される甘味料です。天然資源から抽出・精製されたものや、でん粉由来の糖類が含まれます。

糖類および糖アルコール

砂糖(ショ糖)をはじめ、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、オリゴ糖などが一般的です。また、アルドースやケトースのカルボニル基を還元して生成される糖アルコールもこの分類に含まれます。糖アルコールにはキシリトールやソルビトール、エリスリトールなどがあり、これらは特定の食品において広く利用されています。

非糖質系甘味料

炭水化物に分類されない甘味料であり、天然由来のものと人工的に合成されたものに大別されます。

天然甘味料

ステビアや甘草(グリチルリチン)など、植物由来の成分を精製したものが代表的です。

合成甘味料(人工甘味料)

天然には存在しない甘み成分を人工的に合成したものです。アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリンなどが含まれます。これらは砂糖の数百倍から数万倍の甘味度を持つものもあり、少量で強い甘みを得られるため、清涼飲料水や菓子類などでカロリー抑制を目的として使用されます。

健康への影響と研究

近年の研究では、一部の人工甘味料が腸内細菌叢に影響を及ぼし、耐糖能異常や2型糖尿病の発症リスクに関連する可能性が指摘されています。特にサッカリン、スクラロース、アスパルテームに関する報告があり、摂取量や個人差による影響も考慮されています。また、糖アルコール類は過剰摂取により下痢を引き起こす可能性があることが知られています。

よくある質問

糖アルコールとは何ですか?
糖のカルボニル基を還元して作られる物質で、キシリトールやエリスリトールなどが代表的です。低カロリーで虫歯になりにくい特性があります。
合成甘味料はなぜ使用されるのですか?
砂糖よりもはるかに強い甘味を持ち、少量で甘みを付与できるため、食品のカロリーを抑える目的で清涼飲料水や菓子などに利用されます。
人工甘味料は健康に悪影響がありますか?
一部の研究において、腸内細菌叢の変化や耐糖能異常との関連が報告されています。摂取量や個人差にも留意する必要があります。

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参考文献

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「代用甘味料の利用法」
  • Suez J, et al. "Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota." Nature. 2014.
  • 奥恒行「低エネルギー糖質甘味料・エリスリトールの体内代謝と食品への応用」『栄養学雑誌』1998年。
  • 八幡紋子「人工甘味料が引き起こす血糖コントロール不全」『ファルマシア』2015年。