化学工学
気液平衡の基礎と化学工学における応用

気液平衡(VLE)の熱力学的な基本概念、純物質および多成分系における平衡状態の記述、沸点図やK値を用いた化学工学的な応用について解説します。
📌 主なポイント
- ✓気液平衡(VLE)は気相と液相間での化学種の分配を記述する熱力学および化学工学的概念である。
- ✓純物質の平衡状態では、両相の温度、圧力、モルギブズの自由エネルギーが等しくなる。
- ✓二成分系の気液平衡は、泡立ち点曲線と露点温度曲線を持つ沸点図を用いて表現される。
- ✓気液平衡データは、蒸留塔の設計や理論段数の決定に深く活用される。
気液平衡(英: Vapor–Liquid Equilibrium, VLE)は、熱力学および化学工学において、化学種が気相と液相の間でどのように分配されるかを記述する重要な概念である。
熱力学的記述
気体とそれに接する液体の濃度は、熱力学的平衡にある場合、蒸気圧や分圧によって表される。純物質系において、液体と気体の平衡状態は、両相の温度、圧力、およびモルギブズの自由エネルギーが等しくなることで特徴づけられる。また、より一般的にはフガシティーの概念を用いて表現される。
多成分系においては、系内のすべての成分について、各相の部分モルギブズの自由エネルギー(化学ポテンシャル)が等しくなることが平衡の条件となる。
沸点図と相平衡
一定の全圧下における二成分系の気液平衡データは、温度とモル分率の関係を示す二次元のグラフ(沸点の図)として表される。この図には、沸騰開始曲線である泡立ち点曲線と、露点温度曲線が含まれる。特定の組成では、両曲線が一致する共沸点が現れることがある。
化学工学における応用
気液平衡の情報は、混合物中の成分を分離・精製する蒸留プロセスの設計において不可欠である。多成分系の計算では、気液分配係数であるK値や比揮発度が広く利用される。
よくある質問
気液平衡とは何ですか?
気液平衡とは、化学種が気相と液相の間で分配され、熱力学的な平衡状態に達している状態を指します。
純物質系の気液平衡条件は何ですか?
純物質系では、液相と気相の間で温度、圧力、およびモルギブズの自由エネルギーが等しくなることが平衡の条件となります。
気液平衡はどのような工業プロセスに応用されますか?
主に蒸留や分留といった、混合物から特定の成分を分離・精製する化学工学のプロセス設計に応用されます。
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参考文献
Kister, Henry Z. (1992). Distillation Design. McGraw-hill. Perry, R.H.; Green, D.W., eds. (1997). Perry's Chemical Engineers' Handbook. McGraw-hill. Seader, J. D. & Henley, Ernest J. (1998). Separation Process Principles. Wiley.