清涼飲料水
サイダー (炭酸飲料) の歴史と特徴

日本のサイダーの歴史や海外における意味の違い、各国のリンゴ酒や果汁飲料との関係について解説する百科事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓日本のサイダーは、砂糖液にクエン酸や香料、炭酸水を加えた無色透明の清涼飲料水である。
- ✓英語圏の「cider」は一般的にリンゴ酒や非発酵のリンゴ果汁を指し、日本のサイダーとは意味が異なる。
- ✓日本におけるサイダーの製造販売は、1868年に横浜の外国人居留地で始まったものが最初とされる。
サイダーは、甘味と酸味で味付けされ、香味がつけられた炭酸飲料である。日本における語法ではアルコールを含まない無色透明の炭酸飲料全般を指すが、英語圏における「cider(サイダー)」という言葉は本来、リンゴ果汁を発酵させたリンゴ酒を指す。
概要と各国における意味の違い
英語のciderはイギリスおよび英連邦諸国では発泡性のリンゴ酒を指し、フランス語のシードルやドイツ語のアプフェルヴァインなどと同系統のアルコール飲料となる。一方、アメリカやカナダの北米では、非発酵の無濾過リンゴジュースを指すことが多い。これらを明確に区別するため、リンゴ酒はハードサイダー、リンゴジュースはアップルサイダーと呼ばれる。

これに対し、日本で発展したサイダーは、砂糖液にクエン酸や香料などを加えた炭酸水とを混合した清涼飲料水であり、和製英語の一種として独自の発展を遂げた。
日本における歴史
幕末から明治時代にかけて、炭酸入りのレモネードなどが日本に伝えられた。1868年には横浜の外国人居留地で、ノース&レー商会がパイナップルとリンゴのフレーバーをつけた「シャンペン・サイダー」の製造販売を始め、これが日本におけるサイダーの嚆矢とされる。

その後、1875年に秋本己之助が「金線サイダー」を発売し、1899年には王冠を使用した瓶入り製品が登場したことで本格的な流通が始まった。さらに平野水ベースの三ツ矢平野シャンペンサイダー(現在の三ツ矢サイダー)や養老サイダーなどが登場し、各地で製造されるようになった。


日本の主なサイダー銘柄
20世紀前半から全国展開された無色透明炭酸飲料としては、三ツ矢サイダー、リボンシトロン、キリンレモンなどが知られている。歴史的には林檎系香味を持つものが狭義の「サイダー」とされていたが、時代とともに柑橘系の透明炭酸飲料も含めてサイダーと総称されるようになった。






よくある質問
日本のサイダーと英語圏のサイダーの違いは何ですか?
日本のサイダーはアルコールを含まない無色透明の甘味炭酸飲料を指しますが、英語圏のciderは主にリンゴ酒や非発酵のリンゴ果汁を指します。
日本で最初にサイダーが製造された場所はどこですか?
1868年に横浜の外国人居留地で設立された薬種問屋が製造販売したものが、日本における最初のサイダーとされています。
関連記事
炭酸水三ツ矢サイダーキリンレモンラムネ (清涼飲料)清涼飲料水
参考文献
- 立石勝規『なぜ三ツ矢サイダーは生き残れたのか』講談社、2009年。
- デジタル大辞泉「サイダー」