物理学
回転(物理学・数学における運動)

物理学および数学における「回転」の定義、剛体の運動、線型代数的な性質について解説します。回転軸や角速度などの基本概念を網羅的に説明します。
📌 主なポイント
- ✓回転とは、ある点や軸を中心に物体が回る運動を指す。
- ✓剛体の回転運動は、重心の運動と重心周りの回転に分解して記述できる。
- ✓数学的には、ユークリッド空間における回転は行列式が+1の直交行列で表現される。
- ✓3次元空間における角速度は、回転面に垂直なベクトルとして定義される。
回転(かいてん、英: rotation)とは、ある点や物体が、特定の中心点や直線を軸として回る運動、あるいはその状態を指す概念です。物理学や数学において、回転は物体の位置関係や状態の変化を記述する基本的な運動の一つとして扱われます。

物理学における回転
物理学において、回転は主に「点の回転」と「剛体の回転」に分類されます。
点の回転
ある中心点から一定の距離を保ちながら移動する運動は円運動と呼ばれます。このとき、中心となる点を回転中心、中心から移動する点までの距離を回転半径と呼びます。単位時間あたりの回転角の変化量は角速度として定義されます。回転半径と角速度が一定である場合、これを等速円運動と呼びます。
剛体の回転
変形しない物体を剛体と見なす場合、その運動は重心の並進運動と、重心を軸とした回転運動に分解して記述することが可能です。剛体が回転する際、物体内のすべての点は同一の角速度で回転し、その回転中心は一つの直線上に並びます。この直線を回転軸と呼びます。
数学的定義
線型代数学において、回転は実線型空間における線型変換として定義されます。特にユークリッド空間における回転は、内積を保存し、かつ行列式が+1である直交行列によって表現されます。この行列式が+1であるという条件は、変換によって図形の向き(配向)が反転しないことを意味しており、鏡映(行列式が-1)と区別される重要な性質です。
回転の方向
回転の向きを表す際には、時計の針の動きを基準とした「時計回り(CW)」および「反時計回り(CCW)」という表現が一般的に用いられます。3次元空間における回転の角速度は、回転面に垂直なベクトルとして表現することができ、右ネジの進む方向を正の向きとする「右ネジの法則」が広く採用されています。
よくある質問
回転と自転の違いは何ですか?
回転は広義の運動を指しますが、特に回転中心や回転軸が物体の内部にある場合を自転と呼ぶことがあります。
回転運動を記述する際に用いられるベクトルは何ですか?
3次元空間では、回転面に垂直で、その大きさが角速度に比例するベクトル(角速度ベクトル)を用いて回転を表現します。
数学的な回転の定義における「行列式が+1」とはどういう意味ですか?
行列式が+1であることは、その変換が図形の向きを反転させない(鏡映を含まない)ことを意味します。
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参考文献
長倉三郎他編『岩波理化学辞典』第5版、岩波書店、1998年2月 ISBN 4000800906